安いが一番 2001.5.11
イスタンブールで手に入れた楽器はSAZ、OUD、KANUNNの3種類。さてこの3本をどうやって運ぼうか。SAZ、OUDはともかくKANUNNはどうやっても持って行けない。店員にDHLを使って運ぶ事を告げると、彼曰くDHLは高いからオレが郵便で送ってやるとのこと。「梱包」そして「破損」の2文字が頭の中を駆けめぐるが、まあ安い方がイイに決まっている。ちゃんと梱包して送るという約束の元、送料相当の金額を追加して支払った。OUD1本ぐらいは手持ちで行こうかと考えたが、ブルガリアを経由しなければパリに戻れないことに気づき、3本とも郵送にすることに決めた。なにせルーマニアからの列車の中でこっぴどく痛めつけられているからね。楽器なんて持っているとまたまたソフィアの空港で、どんなトラブルに巻き込まれるかわからない。
ソフィアの空港ではホテルのフロントで働く若い男が迎えに来ているはずだ。イスタンブールに発つ前にタクシーで空港までのアクセスを尋ねたところ、タクシーの半額でイイから俺に送り迎えをさせてくれと言う。もちろん安い方がイイに決まっている。それに宿泊中は夜中までいつも話をしていた仲だ、間違いはあるまい。気になるのは彼自身が車を持っているのではなく、友人の車で一緒に送るということではあるのだが。ブルガリアの置かれている現在の悪い状況を聞かされていたTassiは、仕事になれば何でもするそして少しでも金を稼ぎたいという彼らの切なる思いに答えようと思ったわけだ。でも半額では悪いから多少の色をつけたことは、Tassiの気持ちだと解ってくれただろうか。
写真はソフィアのホテルで働く若いスタッフたち。