TRAVEL 中欧編

アチラではニセ警官 2001.5.3

スロバキアの首都ブラチスラバから列車で約3時間、Tassiはハンガリーの首都ブダペストに到着した。着いたとたんに別世界が広がっていた。ブダペストはあまりにも大都会。ブラチスラバとの比較をたとえて言うなら、東京と地方の小都市ほどの違いがある。同じ首都なのにこんなに違うとは....。たった数時間の差が世界を全く違うものに変えているからおもしろい。日本は島国だから隣国との違いを実感することはないが、世界中のほとんどの国は地続きである。鉄道の旅はそういったことを身をもって体験できる。

旧東欧といってもハンガリーはチェコと並んで優等生、経済も順調で街は活気に溢れている。ただし旧共産国にありがちな犯罪には注意しなければならない。旅行者が遭遇する犯罪といえば、偽札や他国の少額紙幣を巧妙に混ぜるヤミ両替屋や、警官の制服を着た「ニセ警官」などが有名だ。違法なヤミ両替屋がしつこく旅行者につきまとい、たとえ相手にしなくてもそれを見ていたニセ警官がパスポートや財布の提示を求め、スキを見て金を抜き取るというグルによる悪質なものもずいぶん横行している。制服の権威を笠に着た犯罪、豊かそうに見えてもまだまだ社会の歪みはあるようだ。きっと免疫のない日本人などコロリと騙されてしまうだろうね。

ホテルから近くの地下鉄の駅に行こうとするとアコーディオンの音が聞こえてきた。シャンソンを弾いているのだがどことなくハンガリー風、上手いのだがそのコブシ(歌い回し)にジプシー系の匂いを感じる。日本には今日食っていく金を稼ぐために、街頭で演奏しているミュージシャンが一体どれだけいるのだろう。ブダペストのミュージシャンはとにかく必死だった。