TRAVEL 中欧編

肉食ってラテンへの妄想 2001.5.4

とりあえずハンガリアンチターも手に入れたことだし、ブダペスト最後の夜を豪勢に過ごそうか。そう考えたTassiは肉を食うことにした。肉を食うって言ったって特別なコトじゃない。日本でも食べているからね。でもこの時期ここヨーロッパでは特別なことなのだ。Tassiが訪れた2001年春は、イギリスやヨーロッパ諸国で問題となった、あの「口蹄疫/こうていえき」が日本でも大々的に報道された時期だった。行く前に友人からは「肉は食わない方がイイよ」と言われていたが、どこのレストランでも肉料理はあったし、ソーセージ、サラミなども普通に売られていた。あの報道はヨーロッパ全体と言うより、イギリスに限ったコトだったのか....?

「口蹄疫」をどう訳すのか解らなかったが、レストランの主人にその不安を告げると彼はその不安を一笑に付した。彼曰く「ハンガリアンビーフは全く問題ありません!」だと。彼は、輸入肉には頼っていないぞという農業畜産国ハンガリーの代表のようなコメントを残し、笑顔で厨房に戻っていった。う〜〜ん、ちょっとシンパイ。とは言うものの1年おきにヨーロッパを旅行しているのだし、今更心配しても始まらないので(既にTassiの脳はスカスカか...?)おいしく食事を楽しむことにした。

今夜の夜行でいよいよルーマニアかあ。うふふふ、コマネチみたいな女の子ばっかりだったらどうしよう....。あそこはスラブ圏唯一のラテン民族だって言うし......ああああっっラテンの血が騒ぐ〜〜っ、なんてイケナイ妄想を膨らませながらワインに酔いしれていたが、最後のコーヒーを飲む頃にはカメラマン魂が沸々と頭をもたげ、さっさと撮影に向かった。やっぱり夜景というのは絵になるなあ。

ひとしきり撮り終えるとTassiはホテルに預けてあった荷物を取って駅に向かった。しばらく滞在した土地を離れる時、それも夜行の場合は感慨深いものがある。更けてゆく夜と新しい土地への期待とが、微妙なバランスで自分の精神をかき乱すのかもしれない。自分が旅をする理由はこの感覚を味わいたいからなのだろう、きっとそうに違いない。