TRAVEL 中欧編

剥製も売ってる店 2001.4.27

Tassiは目を皿のようにして窓の外の風景を見ていた。と言ったって美しい風景でも綺麗なオネ〜チャンでもなく、ただひたすら次の楽器屋だったが。地図を見ながらトラムに揺られていると、そろそろ目的地に近づいていることが分かる。どうもこの辺りだよなあ、一つ前の停留所にするかそれとも行き過ぎてみるか。このことは楽器屋捜しに関わらず、いつも旅するTassiを迷わすことだ。幸いトラムの駅間隔は短い。だから間違っても歩けばなんとかなる。一つ手前の停留所で降りたTassiは、テクテクと目的の楽器屋に近づて行った。

店の中から人が出てきた。ふ〜ん、まずは外からチェックね、とウインドウをのぞき込む。あれあれ!ネコがいる。ここは剥製も売っているの?とよく見たらバグパイプの一種だった。う〜〜む、このディスプレイは確信犯だね。その後ろにはチターなどそそられるモノが。もう一方のウインドウにはギター系が何本かあった。意外と良いね。でもここでギター見てもしょうがないしなあ、というのが偽らざる間奏、いや乾燥、いやいや感想。店の奥を見るがナゼかちょっと暗い。まあこの店ならエラそうじゃないし中に入ってみよう、そう思って横の入り口から入ろうとすると何とシャッターが閉まっている。あれっ、閉店かよぉ。今日は日曜じゃないよ、と時計に目をやると確かに金曜日。でも時間は6時を少し過ぎていた。

なるほど、さっき店から出てきたのは店員だったのだ。外が明るいから分からなかったが、もう閉店の時間だったのね。そうここはヨーロッパ、日が長いのだ。未練がましく店の中を覗くが暗くてよく分からない。どうせ大したモノはないよ、そう負け惜しみを言ってTassiはこの場を去った。せっかく敷居が低かったのに入れなかったことが何とも悔やまれるなあ。