TRAVEL 中欧編

ノドを通らないケバブ 2001.5.10

「あなたのことはよく覚えています。よく来てくれました、一緒に昼食を如何ですか?」2階に通されたTassiは主人にそう告げられた。2階は社長室兼事務所のこじんまりとしたスペースだった。何となく居心地が悪い。まさかそんなもてなしを受けると思っていなかったから心の準備が出来ていなかったのだ。出てきた料理は「シークケバブ」。Tassiとしてはビールが欲しいところだが、彼らはイスラム教徒。アルコールは御法度なので飲み物はコーラ。それでも街のどこで食べるものよりもおいしかった。

しばらくすると階下から若い男が現れた。主人曰くプロのミュージシャンだとか。主人が指示すると若い男はTassiの買ったばかりのSAZを弾き始めた。めちゃくちゃ上手い!思わず食べる手を止めて見入って、いや聞き入ってしまう。これは食べている場合ではない。TassiはMDを取り出し録音を始めた。それでもこの目の前で弾かれているととても食べる気になれない。主人の指示の下、彼は30分以上もTassiの前で弾いてくれた。

たまたま店に寄ったミュージシャンを2階に上げて演奏させたのだろうか。もしかしたらTassiのためにわざわざ店に呼び寄せたのかも知れない。「楽器を買っていくのはイイが、チャンと彼のように弾けるようになれよ」主人がそう言っているようでならなかった。



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