TRAVEL 本編

旅から旅へ 1997.5.2

出発を待つ夜行列車タルゴ。前にも書いたがTassiは夜行列車が大好きだ。「食堂車で盛り上がる」というのが理由の大半だが、実はほかにも深〜〜いワケがある。写真を見てもらえるとわかるが、この数の楽器を飛行機で運ぼうと思ったら、そりゃあいくらあってもお金が足らないのだ。機内手荷物としてはまず無理だ(以前チェックインの時にもめたことがある)。といってチェロのように別に1席キープするわけにもいかない。バゲージとして荷物と一緒に預けると破損、盗難(特に外国は注意!)の心配がある。そんなわけで移動の時間がいくら短縮されても、飛行機は極力利用しないのがTassiのポリシーだ。

 

夜行列車の寝台車のグレードは大別して4つある。あちらの客車は普通コンパートメント形式になっていて、1つの車両が5〜6個の小さい部屋に分かれている。

■ 【クシェット】これは簡易寝台と呼ばれ日本のB寝台に相当する。6人部屋で毛布 はあるがシーツはなく、ちょっとベッドは狭いが料金も安い。

■【B寝台】これはクシェットよりも少しグレードが上、ただし6人部屋(だと思っ た)。 料金もまずまず。

■【A寝台】4人部屋が普通、日本のA寝台とは比べものにならないくらいすばらし い!洗面台も付いている。

■【個室寝台】2人用と1人用がある。シャワー付きなんていうのに巡り会うことが ある。料金は高い。それでも日本の【北斗星】に比べれば納得できる金額だ。そうい う意味では決して高くないとTassiは思う。写真は1人用の個室寝台。ちょっと贅沢 だったかなあ。

 

以前A寝台に楽器を3個持ち込んだことがある。でかいリュックがあるから荷物は合計で4個だ。同室の旅行者に迷惑をかけたこと、盗難の心配(おちおち寝ていられない)等があったのでそれからは極力個室にしている。鍵もかかるし夜景を見ながらポロポロと弾くこともできるのだ(ただしちっちゃくね)。旅の終わりの最高なヒトトキであ〜る。もちろんこれは楽器がある時の話、ないときはTassiもせいぜいクシェットやB寝台を利用する。同室の外国人旅行者との触れ合いの時間も楽しいものだ。また現地の音楽好きの人も中にはいる。おすすめのCDや旅の情報など得ることは多い。短時間の飛行機の移動ではなかなかこうはいかない。

写真の解説をちょっと....ケースに入っているから良くわからないだろうが、左からスペインのバンドリン、ポルトガルギター、ガットギター、フラメンコギター、ラウド、そして笛が2本。これをどうやって一人で運んだかって.....?そりゃあもうタイヘンでした、台車に乗せてゴロゴロと、トイレにも行けず飯も食えず。パリに着いてからも台車を探してタクシー乗り場まで。終着駅だから良かったものの、途中の駅だったら降ろしているうちに発車してしまうこともあり得るなあ。ましてやこれだけの数だから密輸と疑われても言い訳は出来ないだろうし、民族楽器探しの旅はけっこうリスクが大きいんですよ........... 。




さて全7回に渡ってお送りしてきた「裏街道」シリーズもこれが最後です。楽しんでもらえたでしょうか。また自分で民族楽器を探してみようと考えている人に少しでもお役に立てたかどうかも気になるところです。いずれ続編を掲載するつもりです。それにはまた旅に出なければ......。誰かスポンサーになってくれ〜〜。