TRAVEL 本編

侮れないトルコ 1997.4.16

イスタンブール、ガラタ橋の上でのスナップ。何とかサズを手に入れたTassiはガラタ橋を渡り、いそいそとホテルに向かった。この橋の上では色々な大道芸人、商売人がにぎやかに営業中だ。一番笑ったのは「体重計り屋」だな。家庭用の体重計を道端において客を待つ。客は体重計に載って自分の体重を量り、小額の金を置いていく。オイオイ、そんなんまで商売にするなっちゅーの。あとは飲食関係か、ゴマのいっぱいついたパン屋、飲むピクルス屋など。まあみんな商魂逞しいことこの上ない。

さて橋の途中まで来ると、サズを弾きながら歌っている奴に出会った。もちろんTassiは「メルハバ」しか知らないから、ナニ歌っているのかは分からない。けっこう見物客は集まっていた。音がでかくて歪んでいるのでよく見ると、何とピックアップ付きだ。表面板に黒く丸いのが見えるだろう。トルコもやるな、その時そう思った。あっ、別に差別しているわけでも、バカにしているわけではないんですよ....。たしかに楽器店ではピックアップ付きのサズを売ってはいた、専用のボディーでね。だけど日本の三味線と同様、伝統的な楽器にわざわざピックアップを貼り付けて弾く、という発想がTassiにはなかったもので面食らったのだ。

え〜と、アンプが見えません、さあどこでしょう。正解は画面の外3メートルぐらい右、細いコードが見えるだろう。アンプは自分のそばに置くのが普通だが、彼は何でそんなところに置いたか?これはTassiの勝手な解釈だが、こうすることによって見物客はアンプと彼を遠巻きに見る、つまり間口が広がるわけだ。すると一度に大勢を相手にすることができる。これによって集金効率を上げようと考えたのではないか、いやそうに違いない。これを「ライブハウスより東京ドーム」の法則と言う。やっぱりトルコもやるな。