TRAVEL 本編

奴隷と楽器 1997.4.15

イスタンブールの楽器店。とりあえず「松」での激しい戦闘の後、Tassiは歩いてホテルに向かった。歩いて優に30分はある。でもこの気持ちを鎮めるにはバスでは早すぎる。どこかで冷静に戻らねば...そう思って坂道を下っていると、小さな楽器店がいくつか目に入った。けれど中に入ろうなんて、これっぽっちも思わなかった。おまけにもう写真を撮る元気もない。そんな時にバンジョーが目についた。

こっちでもバンジョーと呼ぶんだろうか。とここで文献を開く....載っていない。アメリカのバンジョーは、元々奴隷として連れてこられた黒人が、アフリカから持ってきたものがその起源だといわれている。とすればその楽器がここトルコに形を変えて存在していても不思議はない。昔トルコに黒人の奴隷がいたかどうかはシラナイが、ありえるハナシだ。なんといってもオスマントルコだもんな。写真の楽器はボディーは金属製、見た感じアルミっぽい。弦はどうやら8本、とすると4コースか。となるとバンジョーマンドリン、略して「バンジョリン」だ。ちゃんとした名称はあるんだろうか。この辺りに詳しい人、教えてくださいな。そういやあ最近カバキーニョの代わりに良く使われる4弦のバンジョー、あれは一体なんて言うんだろう。下に写っているのはブルガリアの「ガドゥルカ」のようだ。ギリシャでいえば「リラ」ということになるんだろうか。どちらもヒザの上に立てて、チェロのように弓で弾く。右下にその弓が見えるではないか。

●追加情報: Third Field ホームページの三野さんから:

えぇ〜バンジョリンですが、私の手元の資料ではバンジョリンという名前がついたのは1885年、JohnFarris製作の物が最初のようです。Gibsonではバンジョー・マンドリンと言っていましたし、Vegaではマンドリン・バンジョーと呼んでいたようです。

(さ、さすがに「マンジョー」とは呼ばないようですね...... Tassi & 鶴田 )