TRAVEL 本編

ハードケースを買うのは誰 1997.4.15

イスタンブールの楽器博物館。これも同じくウード。ウードの重さはどのくらいか知っていますか。オーバーだが紙で出来ているのかと思うほどカル〜イ。リュートも同様だ。それはギターほど弦の張力が強くないため、ボディーを薄く作れた結果だと思う。真偽のほどはCRANE HOME PAGEに......。そんなわけで楽器は良く鳴る。ボディーが薄いということは、弦の振動が伝わりやすいということ。裏を返せば、チョットでも無理な力がかかると破損しやすいということでもある。ギターも同様、丈夫に作ってあるギターは鳴らすのにとても苦労する。その反面たとえばフラメンコギター、こいつは木がとても薄いので簡単に鳴るが、その寿命は他のギターに比べると短い。おまけにあの激しい弾き方だからなおさらだ。

さてそのウードだが、ピックは細長いナイロンの板。例えていうなら男性用Yシャツのカラー(裏から襟に入れるヤツ)、あれをもっと細長くしたもので弾く。慣れないと正確に弦に当たらず、けっこう苦労する。おまけにフレットレスだ。ちゃんとした音を出すまで相当時間がかかる。以前Tassiはウードのピック(買ったときに付属)をそれとは知らず、俺はこんなに長い襟のシャツなんか持っていないぞ〜っと、ゴミだと思い捨ててしまったことがあった。その時に気づいていればピックだとわかったのに。しかしその時は入手した喜びのあまり、ピックがないなんて気がつきもせず、指で弾きまくっていたのだった.....。こういった博物館にも、ちゃんとピックと一緒に展示してほしいものだ。ウードがなけりゃそれを見ても、一体何に使う代物かゼッタイ分からないにきまってる。楽器を買ったときの注意点!すぐにホテルに戻り、冷静になって各部を再度チェック。この時に何か問題があればすぐに買った店に取って返すこと。ちゃんとした店ならきちんと対応してくれるはずだ。間違ってもヨロコビのあまり、飲みに行ってしまってはイケナイ。Tassiの二の舞いになるぞ。

実はトルコで買ったTassiのウードは破損した。フラメンコの様に激しく弾いたのではなく、ただ運搬中の事故だ。きっと日本製のギターのように頑丈だったら、そして頑丈なハードケースに入っていたら....けれどもう遅い。トルコに限らず民族楽器のハードケースは少ない。なぜなら本体とそう変わらない値段になってしまうため、あっても誰も買わないからだ.....。