TRAVEL 本編

本格派にご注意 1997.5.1

Tassiは不運なグラナダの最後の夜をどう過ごそうか考えていた。

ちょっと回想.....1日目、午前中にコルドバからバスで着いたは良いが、実はバスターミナルは日本のガイドブックに記載されていた場所とは違っていた。その情報は古かったのだ。ちょっと変だなと思いつつも歩いた。ガイドブックに従って歩いていくがあたりはとんでもない所。まあなんとかバスに乗り街中までたどり着く。ホテルを探すがどこも満室。お祭りだ、またか....。すでに午後2時は廻っている。ポルトガルギターが重い。最悪野宿も考えたが運良く夕方6時にはホテルでシャーワーを浴びることが出来た。この日はもうくたくたで爆睡。2日目は前にも書いたが「グラナダ版児童会館」で珍しい楽器に出会えた。ホントはクラシックギターの工房やアルハンブラ宮殿も見たかったなあ。

ホテルのフロントにフラメンコのパンフレットの束が積んであった。普通なら見向きもしないところだが、今夜の事を考えて思わず観覧予約を入れてしまった。ちょっと投げやりになっていたんだろうな、疲れてもいたし。手に入れる楽器はもう無い、後のスケジュールは消化試合だ。そんな風に感じていたのかもしれない。まあ人間だからそういう時もある。で、夜の街を観光バスに揺られて「本格的」なフラメンコ鑑賞ツアーへと向かったのであった。目指すはジプシーの住む洞窟とやらへ。

タブラオにも色々あるようだ。現地の好き者が行くマニアックな場所や、ショウアップされた「観光客のミナサン、イラッシャ〜イ。1ドリンクツクヨ!」的な所まで。まあ我々観光客が普通に見ることが出来るのははたいてい後者の方だ。ましてやホテルで紹介されたツアーではまずホンモノに出会うことは無理(誤解を承知で言ってます)。いくら「本格的な」と銘打っていてもそれは観光客向けの「本格派」だ。踊り手たちは観光客の手を取り「本格的」に踊り合っていた。な〜〜んじゃぁ、そりゃあぁぁぁ......と思った。しばらく見ていたが、そうか!この人達はサービス業なんだってことに気付いた。純粋なフラメンコを期待したTassiが悪かったのだ。それが証拠に他のツアー参加者は皆楽しそうだった。写真は本格派のタブラオのギタリスト。

サウンドファイルはグラナダのではなく、この後訪れたセビリアのタブラオでの録音。演奏のグレードははるかに後者の方が上だった。



タブラオにて /スペイン/グラナダ Flash形式:636KB