TRAVEL 本編

イカガワシイのは名前だけ? 1997.5.1

グラナダ児童会館-5 何となく全体の印象は「LAUD/ラウド」ですなあ。ちょっと大ぶりだけど弦も10本だし......とよく見るとネックがかなり幅広い。あれっ、こいつは複弦じゃあないぞ!全部バラけている。次にサウンドホールがちょっと怪しい。なんかリュートのローゼットみたいだ。おまけにナイロン弦だし。イカガワシサがプンプン臭ってきますなあ。「バンター」の項で肩すかしを食らったのできっと「LUTE LAUD」とか言うんでしょうきっと。ああつまんない.....と思ったら「ARCH LAUD/アーチラウド」だった。「ARCH LUTE/アーチリュート」っていうのは聞いたことがあるな。「キタローネ」や「テオルボ」なんかのことをこう呼ぶらしい。まあ平たく言えば、超、超ロングネックのリュートだ。その長いネックがアーチの様になっているらしい(あまり自信が無いなあ、きっと下に詳しい解説があると思いますヨ)。でもこの楽器はどこもアーチしていないのにこの名前だ。やっぱりイカガワシイ。「ギターラ・バンドゥリア」の様な潔さがない。

 

例えば通販で楽器を買うとしよう。

● ブローカー曰く、『リストにあるアーチラウドは現在所有者の手元にあります。かなり古く稀少なものですよ』

とかナントカ言われてTassiは(何、古い....アーチだって、とするとかなりすんごい楽器なんだなこりゃあ)と想像(妄想)をたくましくするのだった。

● おまけに『写真はオーナーから1枚だけ預かっていますが、Tassiさんのほかにもぜひ見たいというお客さんが多く、写真も順番待ちでなんですよ〜』

な〜〜んか言われた日にゃもう、ああああっっっ....てなもんだ。

● そして最後にとどめのヒトコト『そういう訳なんで今後見つかることはまずあり得ませんね、もしどうしてもって言うんでしたら......』

Tassiは最後まで聞かずに銀行に直行したのだった。ドド〜〜〜ン!

 

え〜〜、すぐにイチコロになっちゃうんで、Tassiにこんな話は持ってこないでくださいね、オネガイだから。現在クーリングオフという制度があるようだが、やはり楽器は実物を見て弾いて手に入れるべきであるとTassiは思う。グラナダで見たこの楽器は決してアヤシイ楽器ではない。要はナイロン単弦のラウドって事だ。名前がちょっとイカガワシイだけだ。う〜〜ん弾いてみたいなあ、そしてもし可能なら.....。やっぱりいつかは騙されるな、きっと。いや騙されてみたい。