TRAVEL 本編

見た目も大事 1997.5.1

グラナダ児童会館-2 おおっっこれは珍しい、リラマンドリンっていうのは見たことがあるが、こいつはリラギターですな。6コース12弦ってことは12弦ギターか??しかしあのバンザイした両手はナニを意味するんだろう。それにはまず「リラ」から説明しよう。リラ(LYRE)とは古代ギリシャの「たて琴」のこと。「たて琴」というとハープを連想するが、リラがハープと違うのはその形だ。ハープの三角形(逆三角形)に対してリラは四角形である。乱暴な例だが体操の鉄棒を想像してほしい。まず地面を共鳴胴、つまりボディーとする。そして2本の支柱に支えられた鉄棒と地面の間に弦が張ってあるというわけだ。だからあのバンザイは支柱なのだ。本来支柱は弦を張るための横棒を支えるためにあるが、ネックが存在するのでこのリラギターの支柱は横棒を支える役目はなく、もはや装飾的な意味しか持っていない(と思うのだが)。ただモノによっては、あのバンザイがギターのヘッドと同じ高さまで伸びて、キチンと横棒が存在するリラと同形の楽器もあるようだ。この楽器は音響的なメリット云々より、古代ギリシャの優美な形を楽しむべきだろうな。やはり見た目は大切である。実用主義のTassiはあまり欲しいと思わないが、ホントのことを言うとちょっぴりクラクラきている。