TRAVEL 本編

出稼ぎアンデス1 1990.9.30

ヨーロッパではホントに南米のミュージシャンをたくさん見た。彼らの結束力、逞しさには頭が下がる。一体どこで寝泊まりしているんだろうか、この物価の高い異国で毎日何を食べているんだろうか....など興味は尽きない。最近では日本でも本場のフォルクローレを街角で聞くことができる。ただ本当に感動できる演奏に触れることは極めて稀である。中央の彼が持っているのは大型のチャランゴ、ロンロコである。ヨーロッパの中にいて、有色人種同士のせいか、なぜか親しみを感じる。顔つきも日本人と似ていなくはない。彼らとはこの数日後にオーストリアのザルツブルグで再会した。

この日は雨。客のいない雨の街角で演奏しても一銭にもならない。でも演奏しなければ人も集まらない。おまけに旅から旅へと大変だ。なんだ俺も一緒か....。