TRAVEL 本編

手が三本欲しい 1997.4.22

気を取り直して入った楽器店がここ。なかなかの品ぞろえで、安いのから高いのまで豊富だ。おまけにアテネ市内の楽器店では、あまり目にすることのなかった「ラウト」もたくさんあった。だが驚くほど安くはない。中古のマーチンが買えるくらいの値段が付いている。ええっっ、この作りでこの値段はないでしょうに....と思ったが、とりあえず1本弾かせてもらった。

このあたりには日本人観光客は、というより観光客自体いないので、店の主人は変な東洋人が「ラウト」を弾かせろってことが信じられない様子だ。5度チューニングだからフォームはマンドリンと一緒、マンドセロとほぼ同じサイズだ。ちょこちょこと弾いていたら店の主人はビックリしていた。どうして....という顔つき。冗談でボサノバをやっちゃったからなおさらだったんだろう。ギリシャ人はそんなことはしない、三味線でフォルクローレをやるようなもんだな。音もなかなか、装飾もチョット派手でTassiのココロをくすぐる。あああっっっ.....ドッカ〜〜ン..... 思わずクレジットカードを出しそうになったが、アテネの店で明日取り寄せるといわれたラウトを待っている身である。やはり約束は守らなければいけない、仁義を通すことは必要だ。かなり迷ったがラウト2本も持てないので、潔くあきらめ礼を言って店を後にした。もしアテネ市内でラウトが見つからなかったらここに来るといいだろう。チョット高めだが確実に手に入る。