TRAVEL 続編

甘くはないぞ 1999.5.13

「色物」という言葉がある。本来は寄席言葉で、本格的な落語に対して声帯模写や漫談などのやわらかい芸をこう呼ぶらしい。そこから転じて「ホンモノ」に対する「ニセモノ」的なちょっと意地悪な意味も裏に含んでいるようだ。そういえば今や俳優、画家として大成(?)した片岡某という人物、昔は声帯模写で客席を湧かせていたが、念願叶って「ホンモノ」になったって事か....?Tassiは「ニセモノ」時代の鶴ちゃんが好きだったなあ。,br>
大道芸で人目を引くという事は、シゴトとしては必要不可欠な要素だ。太鼓を抱えハイハットを踏みならし、そしてハーモニカを吹く。なかなか普通の人にはできない芸当だ。またこれほど人目を引くことがあるだろうか。そして足元には昔テレビ出演した時の写真が誇らしげに置いて、失礼.....飾ってある。大道芸成功の三要素「人目を引く姿、珍しい芸、チョット有名」これを武器に彼は何十年もあちこちで営業してきたんだろうね。事実彼の演奏には何の破綻もなく、十年一日ず〜〜っと変わらないサウンドが、歪んだ音でアンプから流れていた。そこには生活の糧を稼ぐための手段としての音があっただけで、色物と呼べるほどの芸はなかった。



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