TRAVEL 続編

スタイル 1999.5.8

Tassiが小学生の頃友達のA君の家に遊びに行ったときのハナシだ。ハイカラなA君の家ではその日ホットケーキがおやつだった。Tassiの家はハイカラじゃあないけれど、ホットケーキぐらいは食べたことはある。べつにオドロキはしない。でもA君の家ではナイフとフォークが出てきたのである。これにはビックリだった。おいおい、小学生にナイフとフォークかぁ〜、それもちゃぶ台だろ〜〜。困ったTassiはいつものようにフォークを右手に持って事に臨んだのである。とはいうものの切れていないホットケーキは食べにくい。しかし横ではハイカラ親子が優雅にナイフとフォークを使って食べているではないか、それもきちんと正座して......。使えない自分を恥ずかしく思ったTassiは、ナイフを左手に持ち四苦八苦しながらホットケーキと格闘した。もちろん味なんて覚えちゃいない。その時にA君のマミィが言った言葉が今も忘れない。「あら、田代君て左利きなのね...」だって。30年も前にどこの小学生が洋食のマナーなんぞを知っているんだ。それとも見事に左利きを演じて見せたのかもしれないなあ。

普通鍵盤楽器を弾く場合、音楽教育をキチンと受けた人は白鍵側から押さえるのが普通だ。でも写真のように黒鍵側から弾いてはイケナイという決まりは何もない。バッハやモーツアルトやベートーベンを弾くにはちょっと大変だろうが、楽器をどう弾こうがそれは個人の勝手(そういえば松崎しげるサンは器用に弾くなあ)。出た音が良ければそれでOK、いや良くなくてもOKだ。彼の演奏をどう感じるかも聞き手の自由だし、お金を箱に入れるのも自由だ。



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