TRAVEL 続編

選ぶヨロコビとカナシミ 1999.5.10

前回肩透かしを食わせてしまったので、今回はちょっと罪滅し。写真はカバキーニョである。Tassiの「世界の民族楽器」のコーナーで公開しているカバキーニョはブラジル製。今やこの楽器はブラジルの楽器として世界的に認知されているが、実はポルトガルがその発祥の地なのである。ブラジルは昔ポルトガルの植民地だったのはご存知かな。カバキーニョはその植民地時代にブラジルに渡り、時間をかけて今のように進化を遂げたわけだ。今ブームのウクレレもその原形はポルトガルのカバキーニョである。ああ、大航海時代の王者ポルトガルが目に浮かぶようだ。それに比べ「凋落」と言ってしまうととかわいそうだが、現代のポルトガルちょっと元気がない。

カバキーニョにはいくつか種類があるようだが、次の点で2種類に大別できる。

1 サウンドホールの形状
2 表面板の材質 

まず1だが、普通の「丸形」と笑った顔のような「三つ穴」の2種類あるようだ。後者はデザイン的なおもしろさはあるが、音は丸形の方が良い。音がしっかり前に抜けてくる。ホールの大きさが関係するようだ。次に2だが、表面板が普通の1枚板のもの、サウンドホールから上が濃い色の木を使ったツートンカラーのものの2種類ある。後者はギターのピックガード同様に、カバキーニョも指(爪)の当たる部分に硬いローズウッド系の木材を配したというわけだ。

デザインを取るか音質重視か、さあどっちにしよう......。