TRAVEL 続編

アカデミックな店 1999.5.11

ローラー作戦の網に掛かった店その2。ここはちょっとアカデミックであります。おまけに入り口の両脇にはアズレージョがあしらわれている。アズレージョとは装飾タイルのことだ。『タイル』と聞くと我々日本人は、トイレや浴室、キッチンにあるモノを想像するが、ここポルトガルのは違う。この『アズレージョ』はひとつの絵柄を何枚ものタイルに分けて書かれている。それも1枚1枚手書きだというのだから恐れ入る。絵画と同じように結構手間がかかっているものなのだ。それでも中には量産されているものもあるが。しかしアズレージョに掛ける情熱を、ちょいと楽器の方に向けてくれたらな〜〜と思うのはTassiだけであろうか。

さて「アカデミック」に弱いTassiは少し躊躇しながら足を踏み入れた。ここは書籍が多いですなあ。まずクラッシック関係の楽譜、あとピアノがデデ〜ンと何台も置いてあった。Tassiはここでポルトガルギターのチャンとした教則本を手に入れたがけっこうな値段だった。ポルトガルギターには、リスボンとコインブラの2つのスタイルがあると言われている。楽器のサイズやチューニングなど細かいところが違うらしい。で、この店で見つけた教則本はコインブラ・スタイルのものだった。コインブラの演奏家というと「カルロス・パレーデス」がよく知られている。この教則本にもTAB付きで彼の演奏のコピーがいくつか掲載されている。初心者にはTAB付きはアリガタイ。これが有ると無いとじゃあ大違いだ。5弦バンジョーなんかもそうだが、5線譜だけではポジションまでは分からないのだ。リスボン派のアントニオ・シャイーニョと比べるとパレーデスのサウンドはチョット変わっている。地域の差というより個性の違いとTassiは見た。ところでこの店には弦楽器は置いてなかったのか、というと......。