TRAVEL 続編

CAIXA 1999.5.8

「階段通りの人々」というポルトガル、フランス合作の映画がある。原題は『A CAIXA』これは「箱」という意味だ。この「箱」とは何かというと、写真の人物が首から下げているのがそれである。映画によればこの箱は、目の見えない人が堂々と「物乞い」をして良い、という役所によるお墨付きによるモノらしい。ちなみにCAIXAには「現金、金庫」といった意味もある。映画はリスボン(たぶん)の細い階段のある裏通りに暮らす貧しい人々を描き、目の見えない老人の持っている「箱」を巡ってのドラマが展開される。目の見える人たちが貧しさ故にこの箱を欲しがり、そして最後には何者かに箱が盗まれてしまい、箱を所有していた老人の家庭は不幸な結末に至るという、幾分寓話的ではあるが悲しい物語だ。

Tassiはここリスボンでその実物を目にした。映画の印象があったので最初ドキッとしたが、彼らを見ているとそんな悲しさは感じられなかった。みんな逞しい。それにしても伴奏が(?)トライアングルひとつというのがすごい。おまけに歌がしっかりファドしているのでまたビックリ。

【民族楽器的『A CAIXA』考察】

映画の大筋とは関係ないが、ポルトガルギターと普通のギターの違いに関する話題、カバキーニョ(もちろんポルトガルの!)を弾く人が登場したりと民族楽器ファンには興味のあるシーンがいくつかある。




CAIXA / ポルトガル/リスボン Flash形式:292KB