TRAVEL 番外編

才能に負けた差別 1997.5.3

スペインはその昔イスラムの支配下にあり、その半分ぐらいが彼らの領土だったという。結局15世紀にはキリスト教徒によって統一されることになるのだが。建物を見ると今でもその面影が色濃く残っている。またフラメンコのカンテ(唄)が持っているアラビ〜な雰囲気は、そんなこととも関係があるんだろうか。さてそのフラメンコも「本格的」となると登場するのがジプシー。彼らのことはスペイン語で「ヒターノ」と言う。日本人はわりに平気で「ジプシー」などと呼んでいるが、この呼称は差別的な表現であると以前聞いたことがある。あの「ツィゴイネルワイゼン」も同じだとか.....。

本来「ジプシー」たちのものであったフラメンコは、今やスペインの代表的な芸術とされている。しかし一方で彼らに対する差別、迫害はいまだにある。日本のあるガイドブックの中では「ジプシーのかっぱらいには気をつけろ」と警告したかと思うと「ジプシーの演ずる本格的フラメンコへ」などと観光気分を盛り上げてくれる。まるで犯罪者の「見せ物」の様な扱いで、これはいかがなものかと思う。世界がフラメンコをすばらしい芸術だと認めたために、スペインが「じっ、実はそうなんですよ〜〜」と元々本国の文化のような顔をしだしたんじゃないか、というのはTassiの意地悪な見方だろうか。写真はセビリアのタブラオ。



タブラオにて /スペイン/グラナダ Flash形式:636KB
(ちなみに録音はここセビリアのものです)