TRAVEL 番外編

兄弟探し 1997.4.16

ガラタ橋の上。しかしここの商売人達はいったいショーバイになっているんだろうか。お客さんは釣り人と通行人だけだ。写真のおじさんの売っていたのは、ゴマのいっぱいついたリング状のパン(トルコでの呼び名は知らない)。このゴマパン屋は観光スポットには必ず1店舗(?)はある。Tassiはこれをあちこちで見たが、全て綺麗に何層にも重ねられて売られていた。いつもドーンと山盛りで、残りあとわずかなんていうのは見なかったなあ。なんでだろう、誰も買わないので売れ残ったか?それとも定期的にどこからか補充しているのか?う〜〜ん......。

Tassiは若かりし頃ミュージシャンでは食えなかったんでいろんなバイトをした。メシの充実度を考えて主に食べ物屋が多かった。そのアルバイト先でのことだが例えば「煮物」、あれはその都度作るモノではなく、定期的にある程度まとまった量を作るものだ。あっちの業界では古い方を「アニキ」新しい方を「おとうと」と呼ぶ。「おい若いの!その煮物、アニキから先に使え!」なんて使い方をする。要はお客に「古い方」っていうコトバを聞かせないためのギョーカイの隠語だな。デパートの館内放送にもそういったのがあるらしい。さてこのゴマパンの兄弟関係はどうなっているんだろう。朝焼いたのをその日のうちに売り切れればいいが、売れ残った時はやっぱり翌日に「おとうと」の上に「アニキ」が乗せられ、知らん顔して町に出るんだろうか。おとうとずらしたアニキなんて情けないなあ......。それとも何日も前の「アニキ」がず〜〜っと下敷きになっているんだろうか。ゲゲッ、ちょっとコワ〜〜イなあ。このパン屋では「本屋で上から2冊目を引き抜く」芸当はできない。できたとしてもアニキかもしれないのだ。アニキを通り越してオヤジだったらどうする。関係ないけど牛丼の吉野屋では紅ショウガは、補充したあと必ず容器を逆さにして入れ替えるそうだ。ああよかった、明日もホームランだ!......。