OTHERS / TRES

スティール弦、3コース6弦。

TRES(トレス)というのはスペイン語で「3」という意味。英語の「ワン、ツー、スリー」をスペイン語では「ウノ、ドス、トレス」だから「3」なのだ。「二胡(にこ)」「三線(さんしん)」「十七弦(じゅうななげん)」など数の付いた楽器はたくさんあるが、ただの「3」というのはあまりに単純明快だ。

Tassiは残念なことに中南米にはまだ行ったことがない。いつかは行こうと思っているのだが、今は時間と金が許してくれない。だからトレスはもう手に入らない楽器だと思っていた。よっぽどレキント・ギターを改造して作ろうかと思ったが、それではイケナイ。やはりトレスはトレスでなくてはならない。民族楽器現地調達派を標榜するTassiだが、トレスに関しては泣く泣く通販を利用した。ウェブショップを利用してクレジット決済で代金を払ったものの、2ヶ月もブツが来なくて騙されたかと思った.....。

しかしそれから数年経過...。待てば海路のナントカで、やはりインターネットを介してもう少し高級な楽器に出会えた。サイズも少し大きめで、同じ名前の楽器でこんなに違ってイイんですか?

この楽器はキューバの「ソン」と呼ばれる音楽で使われてきたが、ライ・クーダーのプロデュースした「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」のアルバムや、同名映画の人気もあってかちょっと注目の楽器である。3コースなので、どちらかというとメロディー楽器ととらえた方がイイだろう。ラムや葉巻の香りが漂ってくる演奏が出来ると良いな...なんて思っている。

チューニングは低い方から「G.C.E」というのがオリジナルである。解放で「C」コードが鳴らせるので、きっと何かと便利なのかもしれない。しかしギタリストとしては、2コースの「C」がくせ者。半音下げればギターの1〜3弦と一緒の並びになる。この半音の違いがとても大きいのだ。

「ソン」や「サルサ」を演奏するには「C」の方が都合がよいのだろう。しかしスタジオで演奏する時、知らず知らずのうちに糸巻きに指が伸び、半音下げている自分がいることに気がついてしまう。


TRES / MADE IN SPAIN




 調弦:G,B,E

 

 TassiのPLAY